あの時、僕が君に出会う前
僕は風となって君に会いに行った
幼い君は
教室の窓際の席に座り
ぼんやり外を眺めていた
なんだかつまらなそうだった
僕が風となって
優しく君の肌に触れた瞬間に
君は静かに笑ってくれた
それが僕だとも知らずに
ただ風の心地よさに
小さな君はにっこり笑ってくれた
☆☆☆☆☆
あの時、私があなたに出会う前
私は風の心地よさが大好きな少女だった
幼い私は
教室の窓際の席に座り
いつもぼんやり外を眺めていた
なんだかつまらないことばかりだったから
ある時とても優しい風が
私に触れた瞬間に
私は静かに笑っていた
その風がどこから吹いてきたのかも知らずに
ただ風の心地よさに
小さな私はにっこり笑った
☆☆☆☆☆
その風は僕だったんだ
あなたにどうしても会いたくて
あの風はあなただったのね
だから懐かしく思えたのね
☆☆☆☆☆
こうして僕たち2人は
ひとりの男として
ひとりの女として
地球上で出会うずっと前から
いろんな形に姿をかえて交わり続けていた
いつも君のそばに僕がいた
いつも私のそばにあなたがいてくれた