私たちは「自分」を生きています。
そんな自分とは、『自分ひとり』で生きているような感覚があります。
しかしながら、ご自分の思考の中をじっくりのぞいてみてください。
皆さんは、思考の中で、いろんな声が聞こえてきて、自分はひとりしかいないはずなのに、そこで、会話していると思いませんか?
例えば、自分を否定したり責めてしまっているとき。
否定することや、責めるという行為は、たった一人だけでは成立しません。
否定する人(その行為をする人)
否定される人(その行為をされる人)
責める人(その行為をする人)
責められる人(その行為をされる人)
少なくともこの「2人」がいなければ、これらのことは起きないということです。
つまり、皆さんは外から見ればひとりなのですが、皆さんの中には、2人が存在しているということになります。
なんとなくでも、それが感覚的に分かる方が多いのでないでしょうか。
自分を好きになる
自分を嫌う
自分を褒める
自分にダメ出しする
自分をジャッジする
自分をゆるす
すべて同じです。一人では成立せず、あなたの中に、2人の視点があるからこそ、これらが起きています。
あなたの思考の中で起きている2人のあなたを静かに観察してみてください。
頭の中での会話に注目してみるのです。
その会話に耳を傾けると、自分の中に2人が存在していて、行為する人と行為される人がいることが分かってくると思います。
ということは、自分の中にいるもうひとりの自分が、この自分を責めたり否定しているとすれば、それに気づくことができれば、じわじわと少しずつ変えていくことができます。
なぜならば、その会話は、皆さんの頭の中で起きている会話なので、そのどちらかのセリフを変えることは、皆さんのコントロールの範疇にあることだからです。
では、ここで、もし、他の誰かに否定されることがあったとします。
他の誰かに否定されても、もし、あなたの頭のなかで、こんな会話になったらいかがでしょう。
他の誰かに否定される
↓
(自分の思考の中での会話)
(自分がもう1人の自分に言ってあげる)
あの人に否定されても私の価値が変わるわけではないよ
あの人に否定されても、私はあなたを否定しないよ
誰かに否定されても、私はあなたのことは絶対に否定しないよ
何が起きても、私はあなたをゆるすよ
いつもあなたのそばであなたのがんばりを理解しているよ
こんな会話になれば、言われているあなたが安心していると感じられることでしょう。
静かな場所で、ご自分の中での会話を観察するところから始めてみてください。
あなたと、もうひとりのあなたとが仲良くすることが、自分をゆるすことであり、自分を受けとめてあげるということです。