三日月の夜は
裏側は見えない
曇が多い日は
星たちが姿を隠す
霧がかかって
山々がうもれている
土砂降りの日に
太陽はどこへいったのか
幼い私はあの雨の日
傘をさしながら
ひとり何度も
お空を見上げたけれど
どんよりとしていて
やっぱり太陽は見えなかった
雨の音だけが
ぽつんと寂しい私を濡らす
大人になって
知ったこと
どれも
なくなってなんかいなかった
見えなかっただけで
泣いていた私がいただけで
温かな優しい光は
いつもそこにあった
だからもう
雨が降っても大丈夫と
あの頃の小さな私に
教えてあげる
あの頃の小さなあなたにも