自分が傷つけるつもりが全くなくても、相手を傷つけてしまっていることがある。
それはつまり、逆も然りということで。
相手はこちらを傷つけるつもりが全くなくても、かってに私達が傷ついていることがある。
かつて私は、自分の精一杯の気持ちで彼に接したつもりでした。
どんなに彼が素晴らしいのか、伝えたかっただけ。
どんなに私が彼を愛おしいと思っているのかを、知ってもらいたかっただけ。
それなのに、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は突如、私から去りました。
青天の霹靂でした。
あんなに優しい言葉をかけたのに。
あんなに懸命に彼を好きなだけだったのに。
そんな気持ちが頭をぐるぐるしていました。
でも、私は理解しました。
その人が傷つくかどうかということは、私たちには全てはわからないですし、コントロールもできないのです。
例えれば、こちらがありがとうといったって傷つく人もいるわけです。その人の理由で。
だからと言って、私達が何を言っても良いとか、相手が傷つくのは相手のせい、とかそういうことではなく。
相手の気持ちは相手にしか決められないことなのですから、私達ができることというのは、とことん自分に正直に生きることなんじゃないかな、と思うんです。
もし、その正直さと相手の正直さがぶつかるのであれば、そこは、対話によって理解を深めていけばいい。
自分を偽ったり、相手を傷つけたらどうしようと自分の言葉を抑圧したり、相手の気持ちばかり考えて自分の気持ちをないがしろにしたり。
それは、その波動が目には見えませんが、相手に伝わるものだと思うのですよね。
ですから、彼が去ったのは、私は確かに優しい言葉を彼にかけたつもりでしたが、彼を失ったらどうしようという心の中の不安や恐怖が、彼に伝わっていたのだと思っています。
とことん、自分の心に正直に、嘘偽りなく過ごしていきたいと思う11月です。